自宅で楽しめるアート講座(第1回)
更新日:2020年05月11日
粉本を模写しよう
自宅で楽しめるアート講座の第1回は「粉本を模写しよう」です。粉本って何?
粉本(ふんぽん)は、中国や日本の古画や名画を模写した絵画資料のことです。今回、模写するのは「久留米藩御用絵師画稿類」の一つです。この粉本は、花鳥風月や人物など様々なものが描かれている水墨画で、江戸幕府の頃、藩の諸大名に仕えていた御用絵師たちが持っていた絵画資料です。古くは江戸初期の作品から明治に至るまでの作品が揃っている貴重な絵画資料で、大川市の指定文化財に指定され、清力美術館で観ることができます。粉本の種類
粉本は主に墨を使って描かれている水墨画です。いくつかの表現方法によって呼び名が違ってきますので、基本的なことを少し紹介します。- 紙本墨画(しほんぼくが):墨の線の表現と墨の濃淡だけで描かれている水墨画
- 墨画淡彩(ぼくがたんさい):墨の線の表現に加え、薄く赤や青などの色がついている水墨画
- 紙本着色(しほんちゃくしょく):墨の線に加え、赤や青や緑など鮮やかな色彩で描かれている水墨画
紙本墨画 作例 「鯉魚図」 墨画淡彩 作例 「動物図」 紙本着色 作例 「彦根風図」
粉本の模写に挑戦
「久留米藩御用絵師画稿類」のうちの4つの作品の中から1つ選んで模写に挑戦してみましょう。今回は墨ではなく鉛筆を使って描いていきます。準備するもの
- 模写する粉本(ページ下の方にある関連ファイルA~Dから好きな作品を選んで紙に印刷してね。)
- 鉛筆(HB、B、2Bの3本あればいいですが、なければHBだけでもOKです。)
- 消しゴム
- 定規
- A4サイズの西洋紙
手順
- 粉本と同じサイズの枠線をA4サイズの西洋紙に定規で計って描きます。
- 印刷した粉本にマス目を引きます。(例:縦24センチ、横16センチの絵の場合は一辺が4センチくらいのマス目がおすすめです。慣れたら線と線の間隔を大きくしてみましょう。)
- 西洋紙の枠線の中にも同じ大きさのマス目を引きます。このマス目は最後に消しゴムで消すので、強く描きすぎないようにしましょう。これで同じマス目が引かれた粉本と西洋紙が準備できました。
- 模写する画像のマス目を参考に西洋紙に目安となる点を打っていきます。模写する粉本のマス目の位置をよく観察して、形を写し取っていってください。
- 大まかな形がつかめたら、絵の形のとおり線を結んで、外郭線を引いていきます。目の位置や口元など、特徴をつかみながら、焦らずゆっくりと描いていきます。
- 影や色はつけずに全て線でなぞり終えたら下描きは完了です。
- 次に鉛筆の濃淡を使って色をつけてみましょう。明暗は徐々に色を濃くしていきます。鉛筆の種類をかえるなど工夫してみてください。(HBは薄く、2Bは濃く描くことができます。)丁寧に描けば描くほど完成度は高まります。
- 最後にマス目を消しゴムで消したら完成です。
おうちで家族でゆっくり一緒に過ごせる貴重な時間です。こうした機会に、気軽にアートを楽しんでみてください。
- 下の関連ファイルに写真付きの手順を載せています。
関連ファイル
このページに関する問い合わせ先
教育委員会 生涯学習課 清力美術館
直通電話:0944-86-6700
ファクス番号:0944-86-6700