定期予防接種対象の感染症など
更新日:2021年04月14日
ロタウイルス
ロタウイルスによる胃腸炎は、急激な嘔吐と水様性の下痢便を頻回に排泄し、発熱が3割~5割程度みられます。嘔吐・下痢に伴う脱水やけいれん、腎不全、脳症などの合併のため入院治療に至るケースがあります。重症急性胃腸炎で入院する原因としてロタウイルスが最も多いといわれています。
B型肝炎
B型肝炎ウイルスの感染を受けると、急性肝炎となりそのまま回復する場合もあれば、慢性肝炎となる場合もあります。一部劇症肝炎といって、激しい症状から死に至ることもあります。また、症状としては明らかにならないままウイルスが肝臓の中に潜み、年月を経て慢性肝炎・肝硬変・肝がんなどになることがあります。ヒブ
インフルエンザ菌、特にb型は、中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎などの表在性感染症の他、髄膜炎、敗血症、肺炎などの重篤な深部(全身)感染症を起こす病原細菌です。生後4か月から1歳までの乳幼児が年間発症者数(約400人)の過半数を占めています。
小児用肺炎球菌
肺炎球菌は、細菌による子どもの感染症の二大原因のひとつです。この菌は子どもの多くが鼻の奥に保菌していて、ときに細菌性髄膜炎、菌血症、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎といった病気を起こします。肺炎球菌による化膿性髄膜炎は年間150人前後が発症していると推計されており、死亡率や後遺症例(水頭症、難聴、精神発達遅滞など)はヒブによる髄膜炎より高いとされています。
結核
結核菌の感染で起こる病気で、我が国の結核患者数はかなり減少したものの、いまだ2万人を超える患者が毎年発生しており、大人から子どもへ感染することも少なくありません。
また、結核に対する抵抗力(免疫)はお母さんからもらうことができないので生れたばかりの赤ちゃんもかかる心配があります。乳幼児は結核に対する抵抗力(免疫)が弱いので、全身性の結核症にかかったり、結核性髄膜炎になることもあり、重い後遺症を残す可能性があります。
ポリオ
ポリオは「小児まひ」と呼ばれ、日本では1980年を最後に野生株ポリオウイルスによるまひ患者の発生はなくなりましたが、海外では依然流行している地域があり、日本に野生ポリオウイルスが入ってくる可能性もあります。
ポリオウイルスに感染してもほとんどの場合は症状が出ませんが、症状が出る場合は感染した人の千人から二千人に1人の割合で手足のまひを起こし、一部の人にはそのまひが永久に残り、まひ症状が進行して呼吸困難により死亡することもあります。
ジフテリア
ジフテリア菌の飛沫感染で起こり、発症後の症状は高熱、のどの痛み、犬吠様のせき、嘔吐などで、偽膜と呼ばれる膜ができて窒息死することもあります。発病後2週間から3週間後には菌の出す毒素によって心筋障害や神経まひを起こすことがあります。
百日せき
百日せき菌の飛沫感染で起こり、普通のかぜのような症状ではじまり、続いてせきがひどくなり、顔を真っ赤にして連続的にせき込むようになります。通常熱は出ませんが、乳幼児はせきで呼吸ができず、けいれんが起きることがあります。肺炎や脳症などの重い合併症を起こし、乳幼児では命を落とすこともあります。
破傷風
土の中にひそんでいる破傷風菌が傷口から体内に入り感染します。菌が体の中で増えると菌の出す毒素のために筋肉のけいれんが起き、治療が遅れると死亡することもあります。
土の中に菌がいるので、感染する機会は常にあります。
麻しん(はしか)
麻しんウイルスの空気感染によって起り、感染力が強く、予防接種を受けないと、多くの人がかかる病気です。発熱、せき、鼻汁、めやに、発しんを主症状とします。主な合併症は、気管支炎、肺炎、中耳炎、脳炎があり、予防接種を受けずに、麻しんにかかった人は数千人に1人の割合で死亡します。
風しん
風しんウイルスの飛沫感染によって起こり、軽いかぜ症状ではじまり、発しん、発熱、後頸部リンパ節がはれるなどが主症状です。合併症として関節痛、血小板減少性紫斑病、脳炎などが報告されており、大人になってかかると重症になります。
妊婦が妊娠早期にかかると、先天性風しん症候群と呼ばれる病気により心臓病、白内障、聴力障害を持った児が生まれる可能性が高くなります。
水痘(水ぼうそう)
水痘帯状疱疹ウイルスというウイルスによって引き起こされる発疹性の病気です。空気感染、飛沫感染、接触感染により広がり、潜伏期間は感染から2週間程度と言われています。発疹の発現する前から発熱が認められ、一般的には、発疹は紅斑(皮膚の表面が赤くなること)から始まり、水疱、膿疱(粘度のある液体が含まれる水疱)を経て痂皮化(かさぶたになること)して治癒します。一部は重症化し、我が国では水痘は年間100万人程度が発症し、4,000人程度が入院、20人程度が死亡していると推定されています。水痘は主に小児の病気で、9歳以下での発症が90パーセント以上を占めると言われています。
日本脳炎
日本脳炎ウイルスの感染で起こり、7日から10日の潜伏期間の後、高熱、頭痛、嘔吐、意識障害、けいれんなどの症状を示す急性脳炎になります。感染者のうち100人から10,000人に1人が脳炎を発症し、脳炎にかかった時の死亡率は約2割から4割で、神経の後遺症を残す人が多くいます。
子宮頸がん
発がん性のヒトパピローマウイルス(HPV)の持続的な感染が原因となって発症します。近年20代から40代の子宮頸がんは増加傾向にあります。子宮頸がんの約7割は、HPV16、18型感染が原因とされています。
インフルエンザ
季節性インフルエンザは急性呼吸器感染症で、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛などの全身症状が突然現れます。呼吸器症状は遅れて出現することが多く、症状は鼻閉、咽頭痛、せきなどです。合併症がなければ2日から7日で治癒しますが、肺炎や脳症などの合併症を併発した場合は重篤になります。
高齢者用肺炎球菌
肺炎球菌という細菌によって引き起こされる病気です。この菌は、主に気道の分泌物に含まれ、唾液などを通じて飛沫感染します。日本人の約3パーセントから5パーセントの高齢者では鼻や喉の奥に菌が常在しているとされます。これらの菌が何らかのきっかけで進展することで、気管支炎、肺炎、敗血症などの重い合併症を起こすことがあります。
このページに関する問い合わせ先
健康課 健康推進係
直通電話:0944-86-8450
ファクス番号:0944-86-8464